2024年9月23日月曜日

LIVE 2024.10.20

 


2024.10.20(日)

吉祥寺STAR PINE'S CAFE

『 武蔵野LIFE SOUNDS 』

三輪風太 / まんぷくっ / quizmaster

OPEN 18:30 / START 19:00 

CHARGE前売り料金¥3000(当日料金¥3500)

+1 DRINK ORDER


https://mandala.gr.jp/SPC/


2013年9月12日木曜日

バンビについて


ぼくは立川にあるダンボという店で最高のハンバーグとカニクリームコロッケに出会った。
同じ時代に生きて、それを体験できたことに驚いている。

店の外観や内装は、人々の落ち着きどころがない思い出たちさえも寄りつくのをやめたような、多くのものの不在による空白を旨としていた(虚しさがすりきれて何も無くなってしまったのだとぼくは思った)。
店を長年続けてきたであろうひっそりとした老夫婦の笑顔も、その空白を否定することはできないようだった。
たくさんの音を立てて、おじいさんはハンバーグやら白身魚のフライやらを作っていたけれど、それでも。

ぼくはそこでハンバーグとカニクリームコロッケを食べた。

ハンバーグは肉汁が染み出すというものではなく、しっかりと固められた肉に強めの香辛料と塩分が輪郭を作っていた。
そして、そこにかかるデミグラスソースがぼくの愛を引き出した。色が白く目が細い、一見すると美人というわけではないが、目をそらすことができない、そんな女性を想像させた。場におけるバランスの取り方、あるいは配置のされ方に真実があったのだと思う。

そして、カニクリームコロッケについては、ただいまこの時に思い浮かべると、体の中の大切な部分が沸き立つ。そして、涙が出てくる。

ぼくが先にデミグラスソースのことを語ったとき、多くの表現されたものがそうであるように、受け手であるぼくの存在がそのすばらしさに対して一定の位置を占めていたと言える。
しかし、このカニクリームコロッケは、ぼくの存在を必要としていなかった。
誰も食べてくれなくてよかったのだ!
エデンの園が、ぼくには空白に見えていたということかもしれないのだ。

クリームにはカニのコクというコクが詰め込まれていた。厚めに、そして少々硬めに揚げられた衣は、ほっくりではなく、ボッくりともいうべき食感で、このクリームのセンセーションを倍増させていた。
ぼくは、きっといつもカニよりこのカニクリームコロッケを食べたい。


店の入り口に背番号55番・松井のサインが貼ってあった。
店の名前はダンボだが、松井は「サンボさんへ」と書いていた。
彼もまた虚無と真実の狭間に食事時を過ごしたのかもしれない。

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2013年8月4日日曜日

ガングロちゃん



触れる

大きな木をくり抜いて作ったぼくの家には誰もいなかった

ぼくは透明になった

木からは水蒸気が上がり、あたりに消えた
水蒸気があったことが、あたりの透明な層のひとつに残った

大きな剣でそこを切ったならば、水蒸気の記憶と一緒にたくさんの涙がでてくることだろう
流せなかった涙が透明な層に含まれている

大きな剣が地上につき立って、無言の痛みを生み出している頃、美しい小さな鳥と舌を絡ませ合うことを思う

また水蒸気が出される
あたりに消える
涙がとどめられる

大声をあげて泣くんだ

ぼくはガングロちゃんと鉱脈をさかのぼる旅に出る

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2013年5月28日火曜日

恋心へ精神分析的な口上



師は、沸き立ちあがる人生の意思に従うことが魂に刻印された使命を全うする方法であるという。
別の師は、自分の望むことは神にも逆らう覚悟が必要であるという。

一人だけ正論を説き続けるローマの評議員は、まだキリストを知らなかった。

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